『群青の記憶』──幼き感性と今をつなぐ旋律
記憶は、音になる。
幼い頃、空の色はもっと深く、風の音も胸に沁みていた。
世界は静かに、でも確かに、僕の中に入り込んできた。
『群青の記憶』は、そんな時代に抱いた“壊れそうな感性”と再会するための楽曲です。
忘れていたわけじゃない、でも今だからこそ形にできた。
ここに綴られた旋律は、時間を越えて、あなたの中の「記憶」にも触れるかもしれません。
舞台は、黒潮町。もう一つの故郷から
僕は高知県四万十町に生まれ、隣町・黒潮町で小学校から中学2年までを過ごしました。
この曲『群青の記憶』は、その黒潮町での少年時代が主な舞台です。
澄んだ青空の下で、友達と駆けまわった記憶。
空想に耽った帰り道、夕暮れの風。
今でもふとした瞬間に蘇る、かけがえのない感情たち。
それらを“群青”という色で包み込み、歌として形にしたのがこの楽曲です。
歌詞
古ぼけたノートに 書きのこしてた
おさなかったぼくたちの えぐるような かんじゅせい
かたちを変えない思い出がね
変わっていく ぼくたちを呼んでいるんだ
そんなきがした
くりかえす季節の中 失くしてくもの
終わりのない空想や すきとおったひとみも
あふれてしまわないように そっと
こころの奥底に かくし持って歩いていけたら
ねえ 両手にあふれるおもいを
もう なにひとつ失くさないように
だれかが定めた この世界のルールで
時計の針は げんじつを刻みつづけているんだ
だけど ふとした瞬間に いつも
あの日のぼくらを 探しているのに
理由などないから
ねえ 群青の記憶の中で
昨日のことのように 思い出すんだ
いつかの おさないぼくらが抱いた
おもい ねがいを なにひとつ失くさないように
流れゆく時間は なにもかもを飲みこんで
あらゆる形を 変えていく それは わかってるんだ
でもね 晴れた日の午後の風や
雨上がりの空に
目をとじて 思いえがくのは
いつまでも変わらない
美しき ぐんじょうの記憶
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写真とまなざし
「1991年 入学式・黒潮町」
12人だけの小さなクラス。小学校生活のすべてをこの仲間と共有した。
真っ直ぐに前を見つめる眼差しは、まだ始まったばかりの人生を静かに映していた──
制作データ
- リリース日:2020年5月26日(シングル)/ 2024年2月1日『新しい1日』8曲目
- サウンドデータ:この楽曲のサウンドは、ギターロックの荒々しさと疾走感を軸にしながらも、どこか懐かしさを感じさせる仕上がりになっています。
ギターは、かつてLaurel時代にサポートとして参加してくれていた**伊藤たかひろ(ito takahiro)**さんが担当。
彼の紡ぐストレートなフレーズが、楽曲の世界観と呼応するように、勢いと切なさを同時に描き出しています。
バンド編成ならではの一体感と熱量が、記憶の奥に沈んでいた感情を呼び起こすような、そんなサウンドになりました。
※この楽曲は、かつてLaurel時代に制作した1曲です。
今あらためて向き合い、当時の“群青”が今の自分にどのように響くのかを見つめながら再編しました。
🎧 楽曲『群青の記憶』のご視聴はこちらから:
※LaurelのALBUM「新しい1日」の8曲目に収録
次回予告
幼き感性と再会する『群青の記憶』に続くのは、
もう一つの原風景を綴ったバラード──『昨日のよう』。
同じ時代、同じ空気の中で過ごした記憶を、今度は「夕暮れの鐘」と共に描きます。
次回もどうぞお楽しみに。
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