🌲『森のピアノ|静けさと音のあいだに宿るもの』

高知県・四万十町の静かな森の中に、一台のピアノが設置されています。

「森のピアノ」と呼ばれ、訪れた人が自由に弾けるこの場所には、

風の音や鳥の声、川のせせらぎがそのままBGMとして響いています。

初めてこの場所を訪れたとき、僕は言葉よりも先に「音」で表現したくなりました。

ただの記録ではなく、この場所に流れていた空気ごと音に残しておきたいと思ったのです。

そんな思いが、今回のインストゥルメンタル楽曲『森のピアノ』の制作につながりました。


雨が降る森の中、静かに座っていた時間。

この場所で初めて、“音にしたい気持ち”が生まれました



【「森のピアノ」という場所】


「森のピアノ」は、四万十町が自然文化の発信のひとつとして設置した公共ピアノです。

人工的なものが少ないこの空間では、音がより深く、静かに響いていきます。

このピアノを初めて見たとき、単なる観光施設ではなく、

音と自然、そして人との関係性を映し出すような“装置”のように感じました。

自然に向かって音を出す感覚——。

それは普段の音楽活動とは少し違う、特別な体験でした。



【楽曲制作と演奏者】


この場所からインスピレーションを得て、

オリジナル曲『森のピアノ』を制作しました。

歌のない、ピアノソロのインストゥルメンタル曲です。

演奏は、地元の幼馴染であるピアニスト・さとし君にお願いしました。

ともに高知で育ち、今も音楽を続けている大切な仲間です。

録音には、スタインウェイのグランドピアノを使用しています。

森での収録ではありませんが、できる限り自然な響きが残るように、

1音ずつ、丁寧に演奏・録音を行いました。

録音当日の空気や表情、さとし君の演奏に込めた思いは、

後日予定している対談の中で、写真とあわせてご紹介できたらと思っています。



【アートワークについて】


今回の作品には、音と同じくらい大切にしたものがあります。

それが、楽曲に添えたアートワークです。

森の中にたたずむピアノ。

静かな時間と空気を描いたこのシンプルな作品には、

「言葉の代わりに何かが伝わっていくような雰囲気」を込めたつもりです。

制作の際には、「音が聴こえてきそうな静けさ」や

「誰かがそこにいた懐かしい記憶のようなもの」をテーマに伝え、

丁寧に描いていただきました。

楽曲とアートワークがひとつのセットになって、

ようやく“森のピアノ”という作品が完成した気がしています。


『森のピアノ』アートワーク(illustration & design by okowa_design様)


【今後の展開】


今回の『森のピアノ』は、僕にとって“はじまり”のような曲になりました。

自然の中で音と向き合う感覚を、今後も少しずつ広げていきたいと考えています。

実は、次の作品としてあるテーマに取り組んでいます。

今はまだ詳細をお伝えできませんが、四万十という場所と、そこに流れる時間をモチーフに、

“もうひとつの風景”を音で描いているところです。

完成は少し先になりますが、映像や季節の移ろいとも連動した作品になる予定です。

このブログやSNSでも、少しずつ制作の様子を紹介していけたらと思っています。

また、今回の演奏を担当してくれたさとし君とは、7月に対談の機会を予定しています。

音楽と自然、そしてこの地元との関わりについて、演奏者の視点から話を聞く予定です。

ちなみに、アートワークに添えた「Forest, River & People」という言葉は、

制作中に僕がさとし君に意見を求めた際、彼の口から自然に返ってきたフレーズでした。

なぜその言葉を選んだのか、どんな思いがあったのか——

そのあたりの真意も、対談でじっくり聞いてみたいと思っています。



【終わりに】


言葉のない音楽は、ときに、言葉以上のものを伝えてくれます。

この『森のピアノ』という曲も、

誰かの記憶の奥に、そっと触れるような存在になれたら嬉しいです。

森の中で感じた静けさや、ピアノの響き。

それが、あなたの中にある“音”と出会うきっかけになればと思います。



___音と“ともに在る”感覚。


【告知・リンク】

🎧 楽曲視聴はこちらから

https://linkco.re/8ghMDVFE

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