2026.05 風路
第一章|停まる
窓の外に、
白い線が見える。
バスは停まったまま、
動かない。
ガラスに、
青い光だけが映っている。
外は静かで、
雨は降っていない。
まだ、
どこにも向かっていない。
第二章|流れる
通路が、
後ろまで続いている。
座席の間に、
足だけが並んでいる。
青い光が、
床に落ちている。
身体は座ったまま、
奥へ流れていく。
窓の外で、雨の音がする。
第三章|滲む
光だけが、
闇の中を流れている。
窓の外は、
ほとんど見えない。
白い線が、
時々だけ現れる。
光は、
もう輪郭を照らしていない。
ただ、暗さの中で揺れている。
第四章|明ける
窓の外が、
少しずつ明るくなっていた。
山から空へ
霧が立ち上っている。
光は見えているが、
輪郭はまだ曖昧なまま。
道路だけが、
静かに続いている。
身体はまだ、移動の途中。
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